2026-04-25
AI活用の業——2026年カオスマップ・目的別使い分け・プロンプトの書き方
第 4 章 / 全 8 章
第四章 プロンプトの、基本五原則
プロンプトとは、AI への、指示文である。
「猫について、教えて」——と、書けば、AI は、教科書的な、一般論を、返す。
「8歳オス、去勢済、体重4.1kg、慢性腎不全ステージ2、ラプロス投与中の、猫の、食欲が、ここ1週間、低下している。考えられる原因を、優先度順に、3つ、挙げて、各原因について、自宅で確認できる、観察項目と、獣医受診が、必要な閾値を、教えて」——と、書けば、AI は、即座に、使える、診断補助情報を、返す。
この差は、AI の、能力差では、ない。プロンプトの、設計の差である。
原則1:Role(ロール)——役割を、指定する
AI の、応答の、トーン、粒度、専門性は、役割指定で、大きく変わる。
悪い例
「猫の、食欲不振の、原因を、教えて」
良い例
「あなたは、猫の診療経験が豊富な、獣医師です。以下の状況の、猫の食欲不振について、獣医学的な観点から、回答してください」
「役割」を、与えることで、AI は、その役割の、語彙・視点・判断基準で、応答する。同じ質問でも、「獣医師として」「ペットトレーナーとして」「動物行動学者として」では、答えが、変わる。
ロールの、典型例
- 「あなたは、獣医師です」——医療・健康情報
- 「あなたは、経験豊富な、経営コンサルタントです」——ビジネス分析
- 「あなたは、上級のエンジニアで、コードレビューが専門です」——コード品質
- 「あなたは、日本の、中堅企業の、人事部長です」——就業規則・労務
- 「あなたは、プロの編集者で、ビジネス書の、校閲が専門です」——文章校正
- 「あなたは、転職エージェントの、シニアコンサルタントです」——キャリア戦略
原則2:Purpose(目的)——何を、達成したいか
AI に、「何の目的で、この質問を、しているのか」を、伝える。
悪い例
「この文章を、要約して」
良い例
「この文章を、役員会で、3分で、プレゼンするための、スライド用の、箇条書きとして、要約してください」
目的が、明確だと、AI は、目的達成に、最適な、形式・長さ・トーンを、選ぶ。
目的の、典型例
- 「上司への、メール報告に、使うため」
- 「獣医面談の、事前準備として、自分が読んで、理解するため」
- 「SNSで、発信して、他の飼い主と、議論するため」
- 「転職面接で、想定質問への、回答準備のため」
- 「副業の、note 有料記事の、構成案として」
原則3:Context(文脈)——前提情報を、提供する
AI は、あなたの、状況を、知らない。
あなたの、飼い猫の、年齢・体重・病歴を、AI は、知らない。あなたの、会社の、業界・規模・文化を、AI は、知らない。あなたの、予算・制約・期限を、AI は、知らない。
必要な、前提情報を、全て、プロンプトに、含める。
悪い例
「うちの子の、食事量を、決めて」
良い例
「うちの子は、8歳オス、去勢済、体重4.1kg、慢性腎不全ステージ2、ラプロス投与中です。現在、ヒルズ k/d の、ドライを、1日45g、ウェット缶を、1日1個(85g)、与えています。最近、ドライの残しが、増えています。適切な、1日の、食事量と、ドライとウェットの、比率の、見直しを、提案してください」
文脈の、密度が、応答の、精度を、決める。
文脈の、典型要素
- 対象の、基本情報(年齢、体重、性別、病歴、現状)
- 既に、試したこと(何を、やって、どういう結果だったか)
- 制約条件(予算、時間、人手、物理条件)
- 現状の、評価(うまくいっていること、困っていること)
原則4:Rules(制約)——避けるべきこと、守るべきこと
応答の、望ましくない、パターンを、事前に、禁止する。
悪い例
「わかりやすく、教えて」
良い例
「以下の、制約を、守ってください。
- 専門用語を、使う場合、必ず、カッコ内で、日本語の簡易説明を、併記
- 「〜が考えられます」等の、曖昧な表現を、避け、数値や事実で、根拠を、示す
- 医療的診断が、必要な場合は、その旨を、明示し、獣医受診を、推奨する
- 応答は、1,000字以内」
制約は、AI の、悪癖(冗長さ、曖昧さ、過度な保険的表現)を、抑える。
制約の、典型例
- 「必ず、出典を、明示してください」
- 「医療的な、断定は、避け、専門医の、相談を、推奨する文言を、入れてください」
- 「英語の固有名詞は、日本語読みではなく、原語の、スペルで、記載してください」
- 「単位は、必ず、メートル法で、記載してください」
原則5:Format(出力形式)——どんな形で
応答の、形式を、指定する。
悪い例
(何も指定しない)
良い例
「以下の、形式で、出力してください。
- 見出し:## で、章タイトル
- 箇条書き:- (ハイフン)で、並列項目
- 表:Markdown の、テーブル形式で、比較項目
- 強調:重要な、数値・結論は、太字
- 文字数:全体で、1,500字前後」
形式の、典型例
- 「見出し・箇条書き・表を、組み合わせた、マークダウン形式」
- 「JSON 形式で、title/summary/action_items の、三キーを含めて」
- 「表形式で、3列(項目、現状、改善案)」
- 「構造化せず、流れるような、エッセイ形式で」
完全な、プロンプトの、例
R-P-C-R-F を、全て、含んだ、プロンプト:
【Role】 あなたは、猫の診療経験が豊富な、獣医師です。
【Purpose】 明日の、獣医面談の、事前準備として、私が、状況を整理するため、回答をください。
【Context】
- 対象:8歳オス、去勢済、体重4.1kg(3ヶ月前は4.3kg、5%減)
- 既往歴:慢性腎不全ステージ2(3ヶ月前、診断)
- 投薬:ラプロス(ベラプロスト・ナトリウム、20μg錠)を、1日2回、朝夕
- 食事:ヒルズ k/d ドライ45g、ウェット缶1個(85g)/日
- 症状:1週間前から、食欲が、やや低下。ドライの、残しが、増える
- 飲水量:1日平均250ml → 320ml(約28%増)
- 排尿:1日3回 → 5回
- 行動:活動量、やや減少。遊ぶ時間が、5分未満/日
【Rules】
- 専門用語は、カッコ内で、日本語注釈
- 医療的断定を、避け、獣医受診時に、確認すべき事項として、整理
- 各論点に、数値的な、根拠を、示す
【Format】
- 見出し付きの、マークダウン
- 「現状の、評価」「考えられる、病態の、仮説」「獣医面談で、確認すべき、質問」の、3セクション
- 全体で、1,200字前後
このプロンプトに、Claude が、返す応答は、そのまま、獣医面談の、プリントアウトとして、使える。
この一回で、信者は、1時間の、医療記録整理を、節約する——第五訓の、雑事消去である。節約された1時間は、業務時間に、振り替えるなり、神の、膝の上に、戻るなり、自由に、振り分けられる。
五原則が、身に付いたら、次は、応用技法——思考連鎖・役割付与の、発展、である。