2026-04-25
猫具足の配置——ケージ・食器・爪とぎ・トイレ・タワーを、神の御座として設える全工程
第 2 章 / 全 8 章
第二章 部屋の基本設計——動線、勢力範囲、三次元の領土
配置を決める前に、部屋の、見取り図を、一枚、紙に、書く。
スマホのメモでも、Notion のキャンバスでも、方眼紙でも、よい。重要なのは、「人の動線」「猫の動線」「具足の占有面積」を、同じ一枚の紙に、重ねて、見ることである。
◆ 住居タイプ別の、具足配置の、基本骨格 ◆
| 住居 | タワー | トイレ | 食器 | 爪とぎ | ケージ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1K(20〜25㎡) | 1台、リビング窓際 | 1個、洗面所または廊下奥 | 1セット、キッチン脇 | 2箇所(ソファ脇・タワー下) | 1台、居室の静かな角 |
| 1LDK(40〜50㎡) | 1〜2台、リビング窓際と寝室 | 1〜2個(多頭飼育なら+1) | 1セット、キッチン寄り | 3箇所(ソファ脇・タワー下・寝室入口) | 1台、寝室または客間 |
| 2LDK以上(60㎡〜) | 2〜3台、各部屋に分散 | 2〜3個、廊下と洗面所 | 2箇所(ドライ・ウェット分離可) | 4箇所以上、各部屋 | 1台、静養専用の客間 |
多頭飼育の場合、トイレは頭数+1が原則。爪とぎは各部屋最低1箇所ずつ
原則1:動線は、交差させない
人の動線と、猫の動線は、交差させない。
人の動線とは、玄関→廊下→リビング→キッチン→トイレ→浴室→寝室、の移動経路である。猫の動線とは、寝床→キャットタワー→食器→トイレ→爪とぎ→窓際の日向、の巡回経路である。
この二つの経路が、部屋の中央で、直交または重複していると、以下が、起こる。
- 信者が、神を、踏みそうになる——朝、寝ぼけた状態で、キッチンへ歩く。足元で、神が、横切る
- 神が、信者の動作に、怯える——掃除機を、かけるたびに、神の動線が、分断される
- 具足が、どちらの動線も、塞ぐ——廊下のど真ん中にトイレを置くと、人も猫も、迂回することになる
解決策は、部屋を、「人ゾーン」と「猫ゾーン」に、緩やかに、分けることである。
- 人ゾーン——キッチン、デスク周り、玄関周辺、洗濯機前の動線
- 猫ゾーン——ソファ背もたれ、窓際のタワー、キャットベッド、爪とぎの柱、隠れ場所
緩やかに分けるとは、壁で区切るという意味では、ない。具足の配置で、**「神の主要活動領域を、人の動線の外側に、寄せる」**という意味である。
原則2:勢力範囲の、重心を、神に、傾ける
部屋の、最も快適な場所は、神に、譲る。
最も快適な場所とは、以下である。
- 窓際(ただし窓は完全に閉じたまま、網戸ロック必須)——自然光、外の景色、風通し
- 暖房・冷房の、直風を避けた、穏やかな気流の位置
- 静かで、かつ人の気配が感じられる、中間的な位置
多くの信者が、窓際の特等席に、自分のデスクを、置いている。そして、内壁側の、薄暗い一角に、キャットタワーを、置いている。
これは、神への、静かな、無礼である。
神は、デスクの上に、お乗りになる。キーボードの上に、ご鎮座なさる。Zoom画面に、尾をお示しになる。信者の仕事を、妨害する神は、単に、本来の御座から、デスクに、移動されたに、過ぎない。
配置を、逆にする。窓際に、タワーと、猫ベッドを、置く。デスクは、壁向きに、する。これだけで、神の、日中の居場所が、デスクから、タワーに、自然に、移る。
原則3:垂直の、領土を、与える
猫の領土は、水平方向だけでは、成立しない。
猫は、祖先が樹上で過ごす時間の長い、半樹上性の動物である。室内の、水平方向の広さよりも、垂直方向の、移動可能な段差の方が、精神衛生への影響が、大きい。
具体的には、以下の三つの高度を、部屋の中で、確保する。
- 低層(床〜50cm)——食器、水、トイレ、一部の寝床。日常の、生活動作
- 中層(50cm〜120cm)——ソファ、低い棚、窓枠、机の上。人と交わる高度
- 高層(120cm以上)——キャットタワー最上段、吊り棚、高所棚。外敵回避と、睥睨の高度
高層が、欠けた部屋は、神にとって、避難先が、ない。人の家に、来客があったとき、掃除機が、鳴り始めたとき、神は、高層へ、逃げる。高層が、天井近くに、確保されていなければ、神は、クローゼットの奥や、ベッドの下で、縮こまる。これは、ストレスである。
キャットタワーの高さは、人の目線(160cm前後)より、上を、目指す。**吊り棚(キャットウォーク)**を、壁に沿って、設置すると、天井近くの高度が、さらに拡張される。
原則4:最小離隔——具足同士の、距離
具足と具足の間に、必要な、最低距離が、ある。
以下の離隔を、守る。
- 食器とトイレ——最低2m以上、理想は、別の部屋
- 水飲み場と食器——少なくとも、30cm以上、理想は、水は別箇所に配置(飲水量を増やすため)
- トイレと、猫の休息場所(ベッド・タワー)——1m以上、排泄時の視線を遮る
- 爪とぎと、食器——爪の削りカスの粉が、食器に入らない位置(1m以上)
- ケージと、人の生活動線——隔離期、人通りを最小にする。ただし完全隔絶は、逆にストレス
食器とトイレを、同じ壁沿いに、並べている家庭が、極めて多い。狭い部屋では、「どうせスペースがない」と、諦めている場合が多い。しかし、食事と排泄を、嗅覚で同時に処理させることは、猫の本能から見ると、強い違和感である。野生の猫は、食べた場所から離れて、排泄する。これは、捕食者に、自分の居場所を、知らせないための、行動である。本能は、家の中でも、働いている。
どうしても、離せない場合、食器を、キッチン側の壁、トイレを、洗面所または廊下の奥に、配置する。これで、視線が、遮られ、空気の流れも、分離される。
1K・1LDK・2LDKの、参考配置
上の原則を踏まえた、住居別の参考配置を、示す。
1K(20〜25㎡)
- タワー——窓際に、1台、高さ150cm以上
- トイレ——洗面所の奥、または、玄関脇のサニタリー空間
- 食器——キッチン脇、タワーから1.5m離す
- 爪とぎ——ソファ脇に1本、タワー下にもう1本
- ケージ——居室の、ベッドから離れた角、布で半分覆える位置
- デスク——壁向きに配置し、窓際は神に譲る
1LDK(40〜50㎡)
- タワー——リビングに1台(窓際)、寝室に猫ベッド+低いタワー
- トイレ——洗面所に1個、多頭なら寝室の隅にもう1個
- 食器——キッチン側の床、給水器は食器から離れた別箇所
- 爪とぎ——ソファ脇、タワー下、寝室入口の計3箇所
- ケージ——静かな寝室、または客間
2LDK以上(60㎡〜)
- タワー——リビング、寝室、各部屋に1〜2台ずつ
- トイレ——頭数+1、廊下・洗面所・別部屋に分散
- 食器——ドライ用とウェット用を分けることも、可能
- 爪とぎ——各部屋に最低1本ずつ、計4〜5本
- ケージ——客間を、静養専用に
部屋の基本設計が、頭に入ったら、次は、個別具足の、選定と配置、である。最初に扱うのは、トイレである。神の日常で、最も頻繁に使われ、かつ、健康状態を最もよく反映する、具足である。