2026-04-23
猫観測の自動化——ペットカメラ・給餌器・体重計・AIによる医療記録の全体設計
第 7 章 / 全 8 章
第七章 AIによる、医療記録の、整理
**慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病、FIP——**複数の疾患を、同時に、抱える高齢猫の記録は、一冊の、厚い、カルテに、なる。血液検査結果、投薬スケジュール、体重推移、食欲の変化、通院回数、飲水量、排尿回数——これらを、獣医との面談時に、一気に説明する必要が、ある。
紙のノートや、スマホのメモでは、情報が散逸する。ここで、AIが、役に立つ。
使用するAIツール(2026年時点)
- Claude(claude.ai、Anthropic)——長文・複数ファイルの読解に強い、日本語精度が高い
- ChatGPT(chat.openai.com、OpenAI)——幅広い用途、画像認識も可能
- Google NotebookLM(notebooklm.google.com)——大量のPDF・文書を、一つのノートブックに、まとめて、質問できる
- Gemini(Google)——Google サービスとの統合が強い
信者として、最低限、一つを、有料プランで、契約することを、推奨する。月2,000〜3,000円程度の投資で、獣医面談の質が、顕著に上がる。
用途1:血液検査結果の、時系列比較
動物病院から、血液検査の結果表を、PDFまたは印刷で、受け取る。これを、スキャンまたは写真に撮って、AIに、読み込ませる。
Claude への、プロンプト例
「添付の3回分の血液検査結果(2026年1月、3月、4月)を読んで、以下を教えてください:
- 慢性腎不全の指標となるBUN、クレアチニン、SDMA、リンの、3ヶ月での推移
- 各数値の、正常範囲からの、乖離度
- 次回の獣医面談で、確認すべき事項を、3〜5点」
AIは、PDFから数値を抽出し、推移表を作成し、医学的意味を、解説する。情報源としての精度は、獣医の判断に比べれば限定的だが、面談前の準備ツールとして、極めて、有効である。
注意事項
- AIの、診断を、信用しすぎない——必ず、獣医の判断を、最優先
- 個人情報の取り扱い——飼い主氏名、住所、獣医名等が写っている場合、マスキングしてから、アップロード
- 検査結果を、正しく撮影——ピンボケの写真は、数値を、読み間違える原因
用途2:投薬スケジュールの、管理
複数の薬を、異なる時刻に、異なる量で、投与する場合、AIで、一覧表を作成する。
プロンプト例
「以下の投薬指示を、一日のタイムライン表にまとめてください:
- ラプロス(ベラプロスト・ナトリウム、20μg錠)1錠、朝7時と夜7時
- セミントラ(テルミサルタン)0.25ml、朝8時
- アムロジピン 0.625mg、夜9時
- アゾディル(腎臓サポートカプセル)1カプセル、朝昼夕の食事前30分
また、相互作用に注意すべき組み合わせがあれば、指摘してください」
AIは、時刻順に整列した、投薬カレンダーを、作成する。信者は、これを、プリントアウトして、冷蔵庫に貼る。または、iPhone のリマインダーに、転記する。
一日の投薬が、4回以上になる高齢猫では、この一覧が、命を、左右する。投薬漏れは、疾患の進行を、早める。
用途3:獣医面談の、事前準備
次回の面談で、聞きたいこと、確認したいことを、AIと、整理する。
プロンプト例
「以下の経過で、次回の獣医面談(来週)で、聞くべき質問を、優先度順に、整理してください。
- 8歳オス、去勢済、体重4.5kg→4.1kg(2ヶ月で10%減)
- 慢性腎不全ステージ2、ラプロス投与中
- 最近、食欲に波があり、好きな銘柄でも残すことがある
- 飲水量は、平均250ml/日で、前月よりやや増加
- 排尿回数は、1日4〜5回(通常3回)
- 口臭が、前月より、やや強い
私が獣医に聞くべき、具体的な質問を、5〜7個、挙げてください」
AIは、以下のような質問リストを、返す。
- 「体重減少の速度から、ステージ進行の可能性は?」
- 「口臭の強化は、腎機能悪化に伴う尿毒症の兆候か、歯周病か?」
- 「飲水量の増加は、腎機能低下による多飲か、甲状腺機能亢進症の可能性か?」
- 「食欲の波に対して、食欲増進剤(ミルタザピン)の併用を検討すべきか?」
面談時間は、通常15〜30分。事前にAIと整理した質問を、医師に提示することで、この限られた時間で、最大の情報量を、引き出せる。
用途4:長期データの、トレンド分析
スマート体重計、給水器、給餌器の、月次データを、CSV または画像で、エクスポートし、AIに、読み込ませる。
「この3ヶ月間の、体重(週次平均)、給水量(日次平均)、排尿回数(日次平均)のデータから、気になる傾向を、指摘してください。特に、慢性腎不全ステージ2の8歳オス猫の、次の一手として、考慮すべき変化があれば、教えてください」
AIは、グラフの傾きと、相関を、読み取り、「この2週間、体重減少と並行して、給水量の緩やかな増加が見られます。脱水に加えて、多飲の可能性も考慮すべきです」といった、分析を、返す。
これも、獣医の診断を、代替するものでは、なく、面談の、補助資料として、使う。
用途5:緩和ケアと、延命治療の、選択肢整理
終末期に近づいた神の、治療方針を、家族で、話し合うとき、AIは、選択肢の整理に、役立つ。
プロンプト例
「高齢猫(16歳、慢性腎不全ステージ4)の、今後の治療選択肢を、以下の3つの方針別に、整理してください。
- 積極的な延命治療(点滴・経鼻栄養・入院)
- 在宅での緩和ケア(皮下輸液・経口薬・食欲増進剤)
- ホスピスケア(積極的治療を行わず、苦痛緩和のみ)
各方針について、期待される余命、神の QoL(生活の質)、家族の負担、費用感を、比較してください」
これは、涙なしには、読めない表が、返ってくる。しかし、こういう時期に、冷静に、比較検討することこそ、第一訓「猫を愛せ」の、最も重い、実装である。
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