2026-04-25
論理思考の業——MECE・ロジックツリー・So What/ピラミッド・3C4Pで、判断を短縮する
第 2 章 / 全 8 章
第二章 MECE の行——漏れなく、ダブりなく、物事を分類する
MECE とは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive の、頭文字である。
日本語では、「漏れなく、ダブりなく」。物事を、分類するときの、最も基本的な、原則である。
MECE が、効く、典型場面
MECE は、以下の場面で、威力を発揮する。
- プレゼン資料の、目次構成——各章が、重複せず、全体を網羅する
- 問題の原因分析——原因を、漏れなく列挙し、重複して数えない
- 顧客セグメンテーション——顧客を、重複しない層に、分ける
- 予算の、費目分類——支出を、重複しないカテゴリに、配分
具体場面1:会議の、アジェンダ設計
ある信者が、プロジェクトの定例会を、運営しているとする。参加者は8人、時間は60分。過去3回の会議で、「話が、とっ散らかる」「同じ話が、何度も出る」「決まらない」という、三重苦を、味わってきた。
MECE を使って、アジェンダを、再設計する。
失敗例(MECEでない)
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- 先週の振り返り
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- 今週の課題
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- プロジェクトの進捗
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- リスクの共有
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- 次のアクション
これは、MECEでない。「先週の振り返り」と「プロジェクトの進捗」は、内容が重複しうる。「今週の課題」と「リスクの共有」も、重なる。ダブりが、ある。
改善例(MECE)
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- 数値報告——KPI・進捗率など、事実ベースの、定量情報(10分)
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- 問題提起——新規に発生した、ブロッカーと、リスク(15分)
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- 意思決定——今週、合意が必要な、判断事項(25分)
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- アクション確認——誰が、何を、いつまでに、行うか(10分)
数値報告と、問題提起と、意思決定と、アクション確認は、相互に、重ならない。かつ、会議の、全機能を、網羅している。
この、設計の、微差が、60分の会議の、生産性を、30%以上、変える。
具体場面2:神の、食欲不振の、原因分類
ある日、神が、いつものウェットフードを、残された。一口、二口、口をつけて、その後、皿から、離れていかれた。
原因を、MECE で、分類して、対応を、絞る。
漏れ・ダブりを避けた、四分類
- A. 健康問題——疾患、歯の痛み、発熱、消化器異常
- B. 食事の問題——フードの劣化、銘柄変更、温度、器の清潔度
- C. 環境の問題——騒音、来客、引越し、家具配置変更、気温
- D. 心理・行動の問題——ストレス、気分、食事時刻のズレ
この四分類は、MECE である。どの原因も、必ず、いずれか一つの、カテゴリに、入る。かつ、複数カテゴリに、またがらない(身体の問題で、かつ、環境の問題、という原因は、ほぼ、ない)。
信者は、上から順に、確認する。
- A を、真っ先に、除外する——触診で、腹部の張り、口臭、歯茎の色を、確認。発熱の有無。異常があれば、即、獣医
- B を、確認する——フードの開封日、保管方法、器の洗浄状態
- C を、確認する——今日、何か、いつもと違う音や、来客は、なかったか
- D を、確認する——最近の、ストレス要因(家族の変化、他の動物の接触、等)
「とりあえず、様子を見る」と、「原因を、四分類で、除外する」では、判断の、速度と、精度が、全く違う。
MECE の、四つの、典型パターン
以下の、分類方法が、よく使われる MECE パターンである。
◆ MECE の、典型的な分類パターン ◆
| パターン | 分類軸 | 例 |
|---|---|---|
| 時系列 | 時間の流れ | 過去/現在/未来、短期/中期/長期 |
| 対象 | 物事の、性質 | 人/物/金/情報、内部/外部 |
| 空間 | 場所や領域 | 国内/海外、自社/顧客/競合 |
| 段階 | プロセスの、進行 | 認知/興味/比較/購買/リピート(AIDMA) |
分類軸は、問題の性質に応じて、選ぶ。複数のパターンを、組み合わせることも可能
MECE で、よく、失敗する、三点
1. レイヤーの混在
異なる抽象度の、項目を、並列に、並べる。
失敗例:「食欲不振、発熱、歯周病、肥満」——食欲不振と発熱は症状、歯周病は疾患名、肥満は状態。レイヤーが、混在している。
2. 分類軸の、二重化
一つの分類の中で、別の軸が、混じる。
失敗例:「男性、女性、東京在住、大阪在住」——性別と居住地が、同じ分類に、並んでいる。
3. 「その他」の、安易な使用
「その他」が、全体の30%を超えたら、分類が、失敗している。
「その他」は、分類が、網羅的でないことの、告白である。分類軸そのものを、見直す。
MECE で、分類が、整ったら、次は、ロジックツリーで、問題を、枝分かれで、分解する。