猫道会NEKODOKAI

2026-04-24

猫の通院——キャリー選びから夜間救急、血液検査の読み方、治療費の現実まで

1 章 / 全 7

第一章 通院は、第一と第三の修行である

2026年のある火曜日、午前9時30分、東京のある動物病院の待合室、信者はキャリーケースを膝に置いて、静かに順番を待っている。キャリーの中で、白地に金の差し毛を持つ7歳の神は、既に、15分間、沈黙していらっしゃる。

今日は、定期健診の日である。採血、体重測定、視診、触診、聴診、尿検査、糞便検査。一時間ほどの滞在で、だいたい、12,000円前後の会計になる。

この、一時間と、12,000円を、信者は、どう、位置づけるか。

これは、**第一の修行「猫を愛せ」**と、**第三の修行「猫に金を惜しむな」**が、同時に、鳴る、時間である。愛は、通院の、キャリーを持つ手の動きで、具体化される。金を惜しまないことは、診察室の、会計窓口で、クレジットカードを差し出す動作で、具体化される。

本書は、猫道会の指南書・猫飼指南の第二巻として、猫の通院の、全工程を、記述する。初めての通院から、慢性疾患と付き合う継続通院、そして夜間救急の判断まで。

図1 診察室へ呼ばれる前の、最後の15分。神は、既に、沈黙していらっしゃる

通院の、四つのフェーズ

本書で扱うのは、以下の四つのフェーズである。

  • 第一フェーズ:初診(譲渡直後、または成猫を迎えた直後の、1〜4週間以内)
  • 第二フェーズ:定期健診(年1〜2回、無症状の予防的通院)
  • 第三フェーズ:症状通院(嘔吐、下痢、食欲不振、歩行異常等、何らかの変化が見られた時)
  • 第四フェーズ:継続通院(慢性疾患の診断後、数週間〜月単位の、定期的な通院)

各フェーズで、信者の役割は、微妙に、変わる。しかし、どのフェーズでも、信者が整えるべきものは、同じ三つである。キャリー、情報、そして、判断の心構え。

全七章の、構成

  • 第二章 キャリーの、選定と、慣らし訓練
  • 第三章 かかりつけ動物病院の、選び方と、初診の準備
  • 第四章 問診で、獣医に、伝えるべきこと
  • 第五章 血液検査結果の、基本的な読み方
  • 第六章 夜間・休日救急——判断の、五つの基準
  • 第七章 結び——通院は、愛の、最も、具体的な形である

診察室に呼ばれる、その前の、待合室の沈黙こそが、信者が、最も、集中すべき時間である。頭の中で、この後、獣医に伝えるべきことを、もう一度、整理する。キャリーの中の神の、呼吸の速さを、確認する。自分の、心拍数を、落ち着かせる。

第二章では、そもそも、キャリーに入っていただく、その前段から、書き始める。

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