2026-04-24
猫の通院——キャリー選びから夜間救急、血液検査の読み方、治療費の現実まで
第 6 章 / 全 7 章
第六章 夜間・休日救急——判断の、五つの基準
夜間救急に、連れていくか、朝まで、待てるか。
この判断は、信者が、一人で、下さなければならない、最も重い、判断のひとつである。連れて行きすぎれば、神のストレスと、費用の負担が、積み上がる。様子を見すぎると、翌朝には、手遅れになることが、ある。
基準1:24時間、排尿がない
特に、オス猫の、尿路閉塞は、夜間救急の、最頻出の、緊急疾患である。
オス猫の尿道は、細く、結晶やプラグ(結石・炎症産物の塊)が、詰まりやすい。完全に閉塞すると、尿が出ず、腎不全が、急速に進行し、24〜48時間で、死に至る。
「トイレに行っているのに、尿が出ない」「何度もトイレに入っては、すぐ出てくる」「鳴きながらトイレで力んでいる」——これらは、即、夜間救急。
基準2:呼吸が、荒い、または、開口呼吸
猫は、基本的に、鼻呼吸しかしない動物である。
口を開けて、呼吸している、ということは、鼻だけでは、酸素を取り込めないほど、何かが起きている、ということである。
- 心不全による、肺水腫
- 胸水の貯留
- 重度の貧血
- 気道閉塞
いずれも、緊急である。呼吸数が、1分間に40回を超えている、または、口呼吸が見られたら、即、夜間救急。
基準3:意識障害、痙攣
意識が混濁している、反応が鈍い、痙攣がある。
低血糖、肝性脳症、急性腎不全による尿毒症、脳神経系の疾患、中毒(人間の食物や医薬品の誤食)——いずれも、即、救急。
特に、保管していた人間の薬(解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン、イブプロフェン、抗うつ薬等)を、誤飲した可能性がある場合、即、向かう。猫はアセトアミノフェンの代謝能力が極めて低く、少量でも致命的である。誤飲から6時間以内の処置が、予後を、決める。
基準4:激しい嘔吐
6時間以内に、3回以上の嘔吐。特に、食物ではなく、液体(黄色い胆汁、透明な胃液)や、血液の混入が見られる場合。
脱水と、電解質異常が、急速に、進む。放置は、危険。
基準5:蒼白、またはチアノーゼ
歯茎、舌、唇の内側の色を、定期的に、観察する習慣を、つける。
健康な猫の歯茎は、薄いピンク色である。
- 白っぽい、蒼白——重度の貧血、ショック
- 紫色、青みがかる——チアノーゼ、酸素不足
- 黄色——黄疸、肝機能障害
蒼白、紫色、黄色、いずれも、即、夜間救急。
夜間救急病院の、事前リスト化
これらの基準を、知っていても、いざという時、救急病院の、連絡先を、調べる時間は、ない。
事前に、以下を、冷蔵庫のドア、またはスマホのメモに、登録しておく。
- 第一優先の、夜間救急病院の、住所、電話番号、受付時間
- 第二優先(第一が、満床または受付停止時)
- タクシー会社の、電話番号(深夜割増の、あらかじめの了解)
- キャリーの、置き場所(慌てて探す時間を、削る)
- かかりつけ医への、翌朝の、情報共有(メモまたは連絡方法)
東京、大阪、名古屋、福岡等の主要都市には、24時間対応の、夜間救急病院が、複数ある。横浜市夜間動物救急センター、ANIMAL EMERGENCY 23、日本動物高度医療センター、等。事前に、自宅から最短の2〜3カ所を、把握する。
費用——覚悟しておく金額
夜間救急の、一回の受診費用は、2〜10万円が、目安である。
- 初診料と時間外加算:5,000〜15,000円
- 検査(血液、尿、レントゲン、超音波):1〜3万円
- 処置(点滴、カテーテル留置、酸素室):1〜3万円
- 入院(1日):1〜3万円
尿路閉塞の、緊急手術と1泊入院で、10〜20万円に、なることも、珍しくない。
ペット保険の、時間外加算への対応は、保険会社と、プランにより、異なる。アニコム損保の 50%プラン、アイペット損保のうちの子プラン、SBIプリズムの猫プラン、いずれも、夜間救急を、補償対象に含むが、上限額と、通算回数の制限が、ある。
無保険で、夜間救急に、駆け込む状況は、想定しておく。クレジットカードの、限度額に、30万円の余裕があることを、定期的に、確認する。
救急対応の基準まで、整った。本書の、最後の章に、進む。