猫道会NEKODOKAI

2026-04-23

終業時刻の業——会議・通知・残業の三毒を断ち、猫との夕刻を取り戻す

6 章 / 全 7

第六章 通院・急変・看取りの、有給戦略

神が、病を、患われる日が、必ず、来る。

慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病、悪性腫瘍、そして、老衰。猫は、平均寿命15〜16年という、人間よりも圧倒的に短い時間軸で、生きる。信者として、この時間軸に、業務スケジュールを、合わせる必要が、ある。

図6 動物病院の待合室、朝9時15分。キャリーの中で、神は、静かにしていらっしゃる

日本の、労働者の、有給制度

まず、前提となる、労働基準法を、確認する。

  • 労働基準法第39条——入社6ヶ月後に10日付与、以降勤続年数に応じて増加、勤続6.5年で年20日
  • 時間単位有給(2010年導入)——就業規則で定めれば、1時間単位で取得可能、年5日まで
  • 半日単位有給——多くの会社で、就業規則に定めがある

まず、自社の就業規則を、読み直す。「年次有給休暇」「時間単位年休」「半日休暇」「特別休暇」「介護休暇」「慶弔規程」の五項目を、確認する。

介護休暇は、原則として人間の家族が対象だが、会社によっては「ペット介護休暇」または類似の特別休暇を、規程化しているところが、徐々に、増えている(例:2020年代後半以降、ユニ・チャームの「猫の日休暇」等)。自社にない場合は、人事部に、書面で、導入を、提案できる。

通院のための、時間単位有給

時間単位有給は、猫通院に、極めて、向いている

  • 朝9時〜11時——動物病院の開院直後に行く。待ち時間が最短
  • 夕方16時〜18時——夕診の開始時。夜診より早く終わる

時間単位有給を2時間申請し、業務を9時半から再開、または16時で切り上げるという運用が、最も、スムーズである。半日有給は、4時間単位で拘束されるため、2時間の通院には、過剰である。

時間単位有給が、自社で導入されていない場合、就業規則の改定を、人事部に、提案する。根拠は「育児・介護を理由とした通院のための短時間離席を、柔軟に扱える制度が、労働者の定着につながる」である。

通院と、業務の、同日運用

通院日は、業務と通院を、同じ一日に、重ねる運用も、可能である。

2026年現在、多くの会社がリモートワーク可として、以下のパターンが、実務として、定着している。

  • 朝、通院 → その後、在宅勤務(11時〜18時)
  • 午前在宅 → 夕方、通院 → 帰宅後、短時間作業(必要時のみ)
  • 一日在宅 → 昼休みに通院(病院が徒歩または車で15分以内)

このパターンで、時間単位有給の消費を、最小化できる。一方で、通院帰りに動揺した神の傍らで、業務に集中できるかは、別問題である。心の平安が乱れた状態でのオンライン会議は、他者に、見抜かれる。無理に、重ねない判断も、ある。

急変時の、連絡経路

神が急変した場合、業務を即時中断する必要が、ある。

事前に、以下を、準備しておく。

  1. 上司・同僚との連絡経路——Slack DM、会社携帯、個人携帯の優先順位
  2. 緊急連絡テンプレート——下記の雛形を、iPhone のメモ帳に、保存しておく
  3. 業務引継ぎチェックリスト——自分が半日離脱した場合に、代理対応が必要な業務の一覧

緊急連絡の雛形

「急ぎ失礼します。飼い猫が嘔吐を繰り返しており、急遽、動物病院に連れて行くことになりました。本日午後の会議は、議事録参加で調整願えますでしょうか。業務状況は◯◯さんにDMで引継ぎ済みです。夕方までには、ご連絡いたします」

文面は、短く、事実だけを、伝える。相手の温度感を、過剰に気にする必要は、ない。猫の急変は、人間の体調急変と、同じ重みである、と、信者は、腹を据える。

終末期の、連続有給取得

猫の終末期が、近づいたときの、連続有給取得は、事前に、準備する

終末期の兆候(食欲の著しい低下、歩行困難、排尿減少、体温の低下、呼吸の変化)が、獣医から告げられたら、その日のうちに、以下を、開始する。

  1. 上司に、状況を共有——「数日〜数週間以内に、連続有給を取得する可能性があります」と、予告する
  2. 業務引継ぎ書の作成——自分の担当業務を、一覧化し、各項目に「引継ぎ先・優先度・期限」を、書く
  3. 連続取得の日数を、決める——通常3〜5日。看取りから火葬、心身回復までを、含む

「休めない」と感じる場合こそ、休む。終末期の猫の傍らに、いられなかった後悔は、数十年、残る。業務の数日の遅延は、数週間で、取り戻せる。

忌引き規程の、確認と、交渉

多くの会社に、ペットの忌引き規程は、ない。

しかし、2020年代後半以降、以下のような会社が、増えている。

  • ペット忌引き休暇(1日)を、特別休暇として付与
  • 子の看護休暇の類似規程として、ペット看護休暇を年5日
  • 有給の計画付与を猫の通院に、柔軟に充当

自社にない場合、信者は、人事部に、規程化を、提案する。これは、**第二訓「人が変われ」**の、組織への、実装である。一人の信者の提案が通れば、他の信者の道も、開かれる。これは、静かな、社会変革の、一つの、形である。

提案の際は、以下のような論拠を、用意する。

  • 厚生労働省「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」等の枠組みを超える、福利厚生としての先進性
  • 離職率低下、エンゲージメント向上との相関を示した研究の提示
  • 他社事例——国内でも規程化している会社が、複数ある

通院・急変・看取りの業務調整まで、設計した。本指南書の、最後の章に、進む。

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